皆様こんにちは!このごろは暖かいというよりは暑いと感じる日が増えてきましたね💦
今年は春の穏やかな陽気を感じる余裕もないまま、もう夏がやって来そうですね。
この連載(というほどの物でもないですが)で紹介している中古ピアノですが、白鍵の修理が終わり、やっと歯抜け状態から脱出できることになりました 笑
整調の作業もこれで捗りそうです♪
今回紹介する作業は「弦合わせ」です。
前回はネジ締めという誰でも想像できる工程でしたが、今回はちょっと名前だけでは想像つかないのではないかと思います😀
弦合わせは「ハンマーが弦を正確に打つようにする」ために行う工程です🌟
このずらっと並んだ部品が「ハンマー」です。カエデやウォルナットを使った芯に、羊毛のフェルトが巻かれています。これが奥の弦を叩くことによって音が出ます。
このハンマーが「まっずぐ前進して、ハンマーの中心で3本の弦を同時に打つ」状態に持っていきます。これがズレていると、発音が悪い・ハンマーフェルト等の部品の劣化を早めるといったことにつながります。
言葉で伝えるのは難しいので、へたくそな絵で図解いたしました 笑
①を直せば②が、②を直せば③が変化するので、①→②→③の順番で調整します。
③はすでにハンマーに弦の跡がついている状態のピアノなら、中心にこだわらずにハンマーの弦跡に弦が当たることを優先します。
それでも発音や弦へのハンマーの当たり方が悪い場合には④や⑤を疑います。
上のハンマーは一見理路整然と並んでいるように見えますが、近づいて見てみると…
赤の矢印をつけたハンマー、よく見ると少し左に傾いているのがわかりますか?これが②の角度が悪い状態です。
余談ですが、傾くことを私の地元石川では「かたがる」と言います。「あこの看板かたがっとるじー(あそこの看板傾いてるよ)」といった使い方をします。あまりに日常的に使うので、方言だと知らないひともまあまあいる言葉です。
…話を元に戻しましょう。今回はこの②角度の修正の作業風景をご紹介します。
シャンクというハンマーの首部分をコテで熱して、ハンマーを回転させて角度を変えます。
シャンクも木材ですので、焦がさないように注意しながら作業します。もちろんやけどにも注意!
①~③までをチェックして、すべてのハンマーの状態が整ったら完了です♪
④と⑤は音が狂っていると判断が難しいので、調律完了後に確認します。
弦合わせはピアノの音色にダイレクトに影響します。新品ピアノの初回の調律では、必ず弦合わせを確認します。
いい音で、いい状態を保って弾いていただくためにはとても大切な工程です🎹