…さてみなさまお待ちかねの「あなたも調律師になれるかも?!」いよいよ実践編です。
まずは調律をするための工具が必要ですね。工具かばんの中からほんの一握りだけ出して見ると…
お客様に「歯医者さんか大工さんみたい」なんて言われることがありますが…
このコーナーでは調律(音の高さを調節する)のみの工具といたします。
まずはチューニングハンマー。下の先っちょをピアノの弦を巻きつけてるピンに挿して回すための工具です。弦は一本で90kgもの張力なので指では回せません…。
この2枚の写真の工具はそれぞれウェッジといいます。材質が違いますが全て弦の振動を止めるもの…調律には欠かせない道具です。
外装を外して調律している…こんな感じです!
さて!ところでどの音から調律しましょうか?…最低音から?それとも聴きやすい音から?好きな音から?…機械(チューナー)を使って調律する場合は基本的にどの音からでもできます。しかしとてもアバウトな仕上がりとなりますのでここではちゃんと音叉と耳でやる方法をご紹介します!
調律を始める際の最初の音は…
最低音から数えて4番目の『ラ』の音からです!「440Hz」とか「442Hz」の音を聞きながらこのラの音を合わせます。Hz(ヘルツ)は音の高さを表す数字で、1秒間に空気が振動する数をいいます。何年も調律をされていないピアノはこの音が430ヘルツになっていたり…なんてこともあります。
よく調律は絶対音感が必要と思われる方がみえますが、全く必要ありません!
2つの音(正確には2本の弦の音)を聴きながら…合わせた音に対して聞こえる『うなり』を無くしたり少しつけたりしながらを繰り返して音を調節していきます!つまりここが『調律に絶対音感は必要ない』ってことですね。常に2つの音を同時に鳴らして聞こえる『うなり』を追いかけるのが調律師がやっている一番大きな仕事なのです。
弦が一番少ないピアノで218本、コンサートピアノで243本ありますが全て集中して聞きながらの作業となります。
ただ、一番最初のラの一音のみ!絶対音感よりもっと細かい精度で合わせる必要があるので音叉や機械などを使います。最初のラの音の1ヘルツの違いは調律師にとってはすごーく大きな違いというわけです
もうヘトヘトではありませんか?まだ1音しか合わせていませんが(笑)…次回に続きます。
※調律についてのご質問があればコサカ楽器にいつでもお問い合わせください!